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ドリームマッチ2020を見て

以下ネタバレを含む。

 

数年ぶりに復活した同番組。

1ヶ月ちょっと前にいきなり宣伝されてから、ファン界隈ではこの日を心待ちにしていた人も多いのではないか。

個人的にはカップル成立後2時間で本番、じゃない方も参加の形が好きだったので、ネタ作り2週間とかロッシーしずちゃん本馬場を排除したあたり、世間はよっぽどクオリティを重視してるんだろうな〜と。これ過剰になると演者のプレッシャーがヤバくなって苦しくなっちゃうんじゃないかと心配になる。

とはいえやはり、やはり面白いのだ。

 

以下、出順でネタを振り返りたい。

 

 

・大悟×澤部

イレイザージャンゴ」

たぶん要所要所がアドリブで形成されていた漫才。でもネタ後にアドリブでしたみたいなくだりがなかったからあれも全部本だったのかな…。

千鳥とハライチのネタの型を組み合わせることでカット割りをバチっと受け手にわからせて、最後にカットを戻して無限ループへ持っていく仕組み。

千鳥のネタはやはり演者のポテンシャルにかなり左右されるので、普段千鳥が何気なくやっていることが面白いってことがどれだけ凄いかが分かるネタだったと思う。

ハライチもアドリブ漫才やってるけど、型が決まってるそれと何でもありのそれとではまた使う筋肉が変わってくるんだろうな。

面白かった。

 

 

・西村×伊達

「カッターズ飯山」

普段ネタを作らない人達が作ったネタ。

ある意味これがこの番組の真骨頂。

占い屋に来て占いを全くやらずに小ボケを羅列する仕組み。

「こっちが先」のフレーズを途中途中に挟んで軽くシステム化されていた。

最後にご本人登場という異例のオチ。

 

 

せいや×小峠

「二重人格下着泥棒」

立ち位置で誰が誰かを分からせる霜降せいやのキャラクターボケと、変な人にどんどん順応する小峠のツッコミのマリアージュ

最終後半はボケツッコミ何でもありの大畳み掛けでフェードアウトの仕組み。

小峠はコントの中のキャラというより平場の彼を思わせる振る舞いで、コントなんだけど漫才みたいだった。

 

 

・秋山×ノブ

「写真撮影」

ノブの板付初めて見たな。

いつもの秋山のキャラクターにノブがツッコミで対応していく。

ネタの8割くらいは秋山が作ったんかな。

水ダウのネタリレーで秋山にバトンが渡った瞬間から質が異様に変わったやつがあったけど、(もちろん良い意味で)本当に秋山には秋山のネタしか作れないんだなというか、それだけ自分のことをわかった上でやりたいことを実現できる人なんだなって感動するばかり。

熱い×熱い、動×動って感じで熱量がすごかった。

 

 

・塙×長田

「自身の崩れざるフォーマットを築こう」

長田はマジでツッコミが上手い。

ボケを邪魔しないツッコミ、ここまでのコンビでまだ出てきていなかった。

フリップとモニターを2段使いするのも普通に意味わからんし、モニターの内容が更に意味わからん。

円グラフのパーセンテージ全部足したら100%超えてることとか、触れないボケを作ったりするのもすごい。

最後までフォーマットの核には触れず、オチは世にも奇妙な物語ふうな仕上がりで、残り物コンビとはいえ相当面白かった。1位では。

 

 

・富澤×土屋

「漫才」

イッテンモノでやってたっけ、と思ったけどナイツは違うのか。

とはいえ違和感が全くなかったコンビ。

一度後ろでネタを練習して本番もう一回やるとボケを全部間違える仕組み。

からのボケツッコミ入れ替えでちょこちょこ伏線拾いながら畳み掛ける仕組み。

特に後半すげえ面白かった。

あと土屋ってかなり下ネタ好きなんだろうな。

奥さんの目があるせいで平場でできない下ネタを漫才に乗せて発散しがち。

 

 

・岩井×直美

「塩の魔神と醤油の魔神ミュージカル歌ネタ」

岩井は天才。

スタジオで見たら運ばれてきた料理が何かがわからないのが惜しかったと思うけど、桁が違って面白い。

この番組が誰向けに作られているのかを考えさせられる瞬間だった。

誰にでもわかる笑いって本当に難しくて、あまりにも単純だとつまらないしギミックに凝りすぎてもわからない、単純さとシュールさを綺麗に取り入れていたこのコンビは優勝しても良かったと思う。

 

 

松尾×粗品

サーモグラフィーコント

松尾のボケがシンプルにむちゃくちゃ上手い。

ただまぁ、世論ではこれネタ2回やる意味あったんか?2回やるにしては長すぎんか?という意見が出ただろうな、世論知らんけど。

2回やるくらいなら1分のショートネタをサーモ・暗視・透視とかいろんなパターンで何回もやってその都度違う見え方するネタにもできるかもと感じたけど、何よりその先駆けの部分を多忙の中2週間で見つけて仕上げるというのは才能が凄すぎる。何食ったらこんなこと考えつくんですか。

 

 

・くっきー!×若林

「その子ガラス割っちゃダメ」

このネタについて、面白さをしっかり評価する、評価できる人間をゲスト席に座らせなきゃダメだよ。

番宣ゲストを起用しないと制作費が確保できない現代テレビ制作の現実を見せられているようで悲しくなった。

おもしろには金がかかるね。

 

 

・春日×山里

カップル成立ありがとう漫才」

春日はブレーン若林のもとで若林を振り回す立ち位置をやらされていて、逆に山里は自身がブレーンになりながらしずちゃんに自分を振り回させる立ち位置になっている。

相性が良いかと思いきや意外と質が違っていて、想像よりトゲのないネタっぽく見えたね。

いじるのもいじられるのも難しい。上に立つのも下手に出るのも難しい。

誰も悪くないけどすこし、山里が悔しそうに見えた。

 

 

 

 

 

なんでこんな面白い番組が無くなったんだろうって思ってたけど、この番組相当制作費がかかるんだろうな。

タダで見られるチープな笑いに世の中が慣れすぎている。

良いものにはちゃんとお金払いたいね。

 

R-1ぐらんぷり2020を見て

以下ネタバレを含む。

 

先程決勝戦を終えたR-1ぐらんぷり2020。

なかなかの熱戦が繰り広げられていた。

不祥事のため雨上がり決死隊宮迫不在、コロナウイルス感染防止のため無観客試合と、かなりイレギュラーな戦いとなっていたが、ピンチヒッターの霜降り明星粗品の達者なサポートやスタッフの笑い声にも助けられ、かなりあたたかい大会だったのではないだろうか。

 

冷めないうちに各ネタを振り返っていきたい。

大谷健太のところで敗者復活戦についても述べる。

 

 

メルヘン須長

おなじみ(?)科捜研の女沢口靖子のモノマネで、今回はSNSを使う若者を切るというなかなか攻めたネタ。

モノマネ自体はさすがで、しゃべり始めた時点でそれだけで面白すぎて笑ってしまった。ネタもかなり今風で面白かったが、審査員の年齢層が高すぎるがゆえに伝わりづらいところもあったのかもとは思う。それが視聴者票が入って審査員票が入らなかった要因かな。

沢口靖子状態の顔しか見たことがなかったので、合格発表の映像とか普通に美人で笑った。

 

守谷日和

やっと決勝進出。

正直私は守谷日和のことを女キャッチャーと逮捕だバンのネタしか知らず、決勝で何やるつもりなんだ?と思っていたけど、めちゃくちゃよくできたネタをしていて、本当に面白かった。

時間が短すぎて難しい部分はあったんだろうが、それにしてもすごく良かった。

落語を取り入れた型のネタだったが、桂文枝の審査員票は入っていなかったらしい。

 

・SAKURAI

おそらく有田ジェネレーションで掘り出されて急上昇したのかな?私が初めて見たのは土下座のネタで、あの衝撃は今でも覚えている。面白い。

型は一本しかないものの、着眼点がやはりとてつもなく秀逸で、モロヘイヤの生産量5位〜10位のやつなんか特に、マジで頭おかしいだろ面白すぎる。しっかり賞レースに合わせてちょうどいい塩梅のネタ選びをしていた。受かってもよかったと思う。

 

マヂカルラブリー野田クリスタル

こんなもん野田クリのゲーム実況チャンネルやんけという感じで、そりゃもうむちゃくちゃ面白いんだけど、これネタって言っていいのかと少し思うところはあった。

野田クリスタルがゲーム作ってるのは結構有名な話だと思うので、まぁ知名度も込みで大ウケしてたって感じかな。発想は1本目も2本目も頭おかしくて最高だった。あと普通に私服みたいな格好だったのが面白かったな。優勝おめでとう。

 

 

ルシファー吉岡

毎年毎年絶対面白い。

毎年毎年運営側と審査員・大多数視聴者の間に大きなギャップがあるんだろうな。

お笑いファン界隈ではかなり得票が高かったと思う。下ネタから生まれる笑いのプロなのに、世間的に下ネタが評価されづらいジレンマは難しい。

 

・ななまがり森下

優勝。

一番面白かった。

歯姫最初のR-1ということで、優勝こそできなかったけど決勝まで上がれたのは純粋にすごい。KOCもまた決勝残ってくれよ〜〜。

ななまがりはいい加減時代が追いついてきて売れてくれよと思う。

 

パーパーほしのディスコ

俗に言う「縦パーパー」。見る人があいなぷぅになれる立ち位置でのコントだった。面白かった。

でもまぁ、パーパーの方がいいね。

なんか最近コンビ仲が良くなったみたいな噂を聞いたのでまたパーパーで活躍する姿を見たい。

 

すゑひろがりず南條

おなじみ狂言ネタ。境界線で言い換えのタイミングを見てわからせるのはそれだけで説明の必要がなくなって見やすい。自分の袖に隠れたら消えていることってのも雑で面白かった。毎回そこで笑いが起こってもよかったはずだけどそこまでハマってはなかったのかな?

Bブロックはルシファー吉岡とななまがり森下の一騎打ちかと思ったが蓋を開けたら全然そんなことはなく、ルシファー吉岡以外の三つ巴となっていてそれもそれで面白かった。

 

 

ヒューマン中村

この人まだ進化するのかいと思った。というか5年ぶりぐらいにネタを見た気がする。主にフリップしか知らなかったので、コントやってるのが新鮮な感じだった。普通に面白くて展開も回収もあってよかったんだけどどうも最初の受信料のくだりが最大風速だったように見えて乗り切れなさがあった。なぜだ。

 

・おいでやす小田

逆にこっちがフリップネタか。演技力が高いのでフリップよりコントのが臨場感あって面白いのではと感じる部分はあった。最終決戦に残らないキャラみたいになっちゃってて良くないね。

 

ワタリ119

舐めていた。この人こんなすごいネタできるんか。向上委員会を撮り溜めたまま見なくなって早2年、いわゆるポンコツで売っていた時代しか知らなかったから、こんなに面白いとは思っていなかった。

見た人によってはサンシャイン池崎と同じとかいう意見も出ていたけど切り込む角度が全然違う。持ち時間をしっかり活かしていたし、それをフリとして存分に使っていた。それでいてフリップの内容もちゃんと面白い。ここまで腕を上げていたとは、感服した。受かってもよかった。

関係ないけどワタリだけキラキラ関係を頭につけてないのはなんでなんだ。

 

・大谷健太

まさかのまさかの敗者復活。いや、もちろん敗者復活戦でも面白かったが、とはいえまさかだった。

個人的に去年のR-1敗者復活戦で初めて見て、同じく早口言葉のネタだったけど超面白くて、なんで決勝行けてないの…と思っていた人だったので、純粋に嬉しい気持ちはあった。でも平均年齢高めの審査員に早口言葉ちゃんと聞き取れたのかな。

 

敗者復活戦を配信で見た感じでは、kentofukaya、オジンオズボーン篠宮、マツモトクラブの期待3組が著作権の都合で配信NGとなり、それ以外だとダントツでウエストランド井口の票が高かったと思う。次いで紺野ぶるまやだーりんず松本りんすやZAZYあたり。たしかにその辺りも順位は上の方だったんだけど、それを抜いての大谷健太。井口が2位ってなった時、絶対配信NGの誰かだと思った、が、大谷健太。

 

予選審査員の質が高すぎる。

 

たぶん、決勝全体のバランスも踏まえてのチョイスだったんじゃないかと思う。例えばもし観客ありの決勝戦だったなら間違いなくウエストランド井口がいっていた、いっていたし決勝でも結果を残していた、間違いなく。

ただやっぱり今回の異様な環境での勝負となると、テレビ的にも「THE R-1」みたいなネタを上げる方が無難だったのだと思う。

そして大谷健太もしっかり面白かった。

これは予選審査員の質の高さとしか言いようがない。

 

 

去年のM-1に続き、今年のR-1も番組としてとても素晴らしい仕上がりになったのではないか。

この調子でKOCも頼む〜〜。

 

出会い系アプリを使って

昨今のマッチングアプリブームに全く乗れないままここまで来てしまったことに少し後悔の念があったので、世間的に最もやばいとされるマッチングアプリtinderを少し前に始めて、そして辞めた。

 

男性課金型のガチマッチングアプリに比べて、tinderは基本的に最初から最後まで無課金でできる。まぁ“最後”って何ですかという話ですが…。

要はより気軽にできる、それゆえに比較的治安が不安定である、そういうものだった。

 

あと違いがあるとすれば(といってもこれ以外のアプリを知らないので違いじゃないかもしれないけど)、同性ともマッチングできるところだろうか。私は半分ぐらいはそこに惹かれて始めた。

その他には、スマホの位置情報を元に指定した範囲で物理的に近くにいる人が表示されるので、会うという点においては本当に手軽で手っ取り早い仕様となっていた。

 

 

せっかくなので今回は私が体験した以下の3点について感想を述べて、マッチングアプリ体験の終了としたい。

・異性とのマッチング

・同性とのマッチング

・旅先で現地民とのマッチング

 

 

・異性とのマッチング

おそらく最もメジャーな使い方だろう。

表示される異性の種類は様々で、年齢国籍はもちろん、恋人探し、セックスフレンド探し、パパ活、友達探しなど目的も様々であった。

少ない私のマッチング経験から察するに、利用者の目的としては大雑把に言って「友達探し」の感覚が一番強かったように思う。

それは友達のような関係の恋人だったり、セックスフレンドもフレンドという点においては友達だよなって感じだったり。なにせみんな気軽だった。

とはいえ異性と出会う以上、みんなそれなりに異性としてのモチベーションがあった。それゆえ私には愛する人がおりますと打ち明けるのはどこか失礼な気分がした。

私は趣味が合う人がいればなと思ってやっていたんだけど、本来「趣味が合って意気投合する異性」って恋人に発展する存在だよな…と、恋人探しから離脱した人間のヤバ思考が出てしまっていた。

出会う相手にとって、私と出会ってしまうことで無駄になる何かがあると思い始めたことが、私がこのアプリを辞めようと思った原因のひとつでもあったかもしれない。

 

あとこれは単なる私の変態性の話になるかもしれないが、無垢に友達を求めている女の子がセフレ探しの男とマッチングしてしまう話などは聞いていて興奮した。

 

 

・同性とのマッチング

アプリ内の設定で表示される性別を選択することができ、同性も表示させる設定にしている人同士であれば同性でマッチングできる仕様になっていた。

かなり誇張して言うと、ゲイかマルチしかいなかった。

ゲイもマルチも個人的に偏見はないというか、それをマイナスポイントと捉えるつもりはないんだけど、単純に私が求める人材ではなかったのかなといったところ。

まぁかなり誇張して言ったので、実際その2種類しかいないわけではない。私みたいなよくわからんのもいるのだから。

ただ同じ同性でも女性同士の同性マッチングだとまたちょっと違ってくるのかもとは思った。

 

みんな新規の同性と何を話すんだろう。

 

 

・旅先で現地民とのマッチング

これができたので私は満足してtinderを辞めた。

位置情報を利用して近くにいる人と出会えるということは、北海道に行けば北海道の女性と出会えるということ。

最近はナンパも会わずにできちゃうんだね…。

 

 

以上、登録から1ヶ月ちょっとの間で出会い系アプリでできるほとんどのことはやった気がするので、満足して先日アカウントを削除した。

 

盛れた自分の写真が1枚あればいつでも始められるので、まだやったことない人、是非やってみよう。

 

R-1ぐらんぷり2020について

関係者やファンの間では賞レースの中で最も予選で容赦なく落とす大会とされているR-1ぐらんぷり

今年もBKBをはじめ多くの実力者が2回戦で落とされる波乱があったらしい。

私は正直この大会についてそこまで熱を入れて追っているわけではないので、準決勝進出メンバーの内の何人かをかいつまんで少しだけ言及したい。

 

 

 

まず今年の決勝予想として、準決勝進出メンバーから見るに順当にいけばアインシュタインの稲ちゃんは残るだろう。これはM-1の決勝予想と同様の理由で、アインシュタインというコンビ自体に勢いがあるからだ。どんなネタをするのかは知らないが、残る。

次にオジンオズボーン篠宮。ネタはおそらく自身のTwitterでバズった難読漢字の書き順ネタ。某番組で披露していたのを見て、R-1決勝の情景が容易に想像できた。バズったという勢いも合わせて残るのではないかと思う。

そして個人的希望としてはkento fukaya。面白いんだ。ずっと面白い。どのネタをするのかはわからないが「仲が良すぎてブドウみたい」を決勝で見たい。

 

 

さほど注目していなかったとはいえ、改めて見ても準決勝進出メンバーはそうそうたるもので、ヒューマン中村紺野ぶるま、おいでやす小田、ルシファー吉岡サンシャイン池崎、マツモトクラブ、三浦マイルドあたりは知名度も実力もすさまじい。

クロスバー直撃前野、松本りんすも去年に続いてしぶとく勝ち上がっている。

他にもカベポスター、ザ・ギース、ななまがり、ウエストランドマヂカルラブリーパーパーすゑひろがりずといった有名コンビの片割れも残っているし、守谷日和ワタリ119(キラキラ関係)、ZAZY、どんぐりたけし、たつろう(元LOVE)、4000年に一度咲く金指といった新進気鋭?のメンバーの名前も。

最近赤丸急上昇中のSAKURAIもまさかの準決勝まで残っている…。

そんなこんなでほぼ全員の名前を挙げることになってしまったが、やはりR-1もM-1同様、どこが残るかわからないし、どこが残ってもおかしくない選考結果になっているように思う。

 

唯一落選組に触れるとすれば、SAKURAI残すなら白桃ピーチよぴぴも残してよかったのにな、といったところか。

 

溺れるナイフを見て

以下、本編のネタバレを含む。

 

以前よりジョージ朝倉はすごいという漠然としたイメージがあって、ピースオブケイクを見たときから溺れるナイフもずっと気になっていた。

結論から言うと今回の話は私には内容がいまいちよくわからなかったので、良かったと感じたところだけを抽出したい。

 

 

 

ストーリーをまとめると、レイプ魔から彼女を守れなかった悔しさを1年越しに晴らした話、といったところか。

話の核はそこじゃないんだろうけど。

 

 

前述の通り何が伝えたかったのかが私にはよくわからなかったけど、個人的には重岡大毅演じる大友くんがすごく生々しくて良かった。

バッティングセンターのシーンの「大友!私好きになんないよ?」とかかなり良かった。

かなり良かったとはいえアレ実際に自分が大友くんの立場だったら普通に泣いちゃうだろうな。

あとはお見舞いのシーンの眉毛のやり取りとかキスシーンとかってどこまで台本でどこまでアドリブなんだろうって感じだったり、別れ話のシーンも重岡大毅がセリフ噛んで言い直したのをそのまま使っているところがあったり、その生々しさが良すぎて大友くんばかりを追いかけてしまった。

 

大友くんばかりを追いかけてしまった理由として、菅田将暉×小松菜奈重岡大毅×小松菜奈の世界観の演出が別物すぎたことが挙げられるかと思う。前者のそれがシンデレラ的で、想像しにくかった。顔面が綺麗すぎるからかな。

あとは単純に、大友くんがモテないなりに頑張っている姿が自分とリンクしたのも理由の1つか。私の場合はもっと陰湿でオタク的なものだけど、気持ちはよくわった。振られても友達に戻るだけだ!みたいなところとかね。

 

 

 

さて、最近自分が歳をとったなと思うのが、こういう甘酸っぱさを目の当たりにした際に、自分にとって重ねて思い出される感覚がすごく昔のものになっているということ。

実際数字で見てもこの手の青春時代は5〜10年前のことなので、覚えているといってもどこか他人事のようにすら感じる部分がある。

そんな薄れゆくはずの感覚をここまで掘り起こして表現できるって、本当にジョージ朝倉はすごい。

 

M-1グランプリ決勝のニューヨークのネタについて

M-1グランプリ2019の事前レポでついにニューヨークが売れるよと書いたのになかなか売れないので決勝ネタでも振り返ろうかな。

既に様々いろんな人に言われていることはあって、ほとんどそれと被る内容になるかとは思うが…。

 

 

さて、ニューヨークの本来の見せ所といえば「偏見」ではないだろうか。

今回のネタもその屋敷節が存分に出ていた。

一般的に、「女はLINEが既読にならないとかで大喜びする」や「100万回抱きしめるとか言っとけばいい」などのツッコミはある種ボケでもあり、これらを歌ネタに取り入れようとする場合、ボケの歌詞として歌ったものをツッコミで処理するという流れが普通ではないかと思う。

このネタではボケの間違いをツッコミが正すという流れにおいて、そういった「偏見」がツッコミの役割に使われている。それによってボケ→ツッコミで生まれる笑いに加え、ツッコミがボケを正しきれていない違和感によっても笑いが生み出されるカラクリがある。女はLINEが既読にならないとかで大喜びするわけではないし100万回抱きしめるとか言っとけばいいわけでもないから。

 

ただこのカラクリは倍々ゲームで笑いが生まれる方程式かというとそういうわけではない。

違和感による笑いは受け手の能力にも左右されるからだ。

受け手に理解してもらうことがあまりにも多くなると、違和感が単なる謎として伝わらないまま流れてしまう。笑わせる要素が多すぎると複雑になりすぎて、それだけ説明が必要になってくる。

例えば、今回このネタが歌ネタでなく、しゃべりで歌詞を表現するような形であったとすれば、受け手に一度その歌を想像させた上でそこに偏見を盛り込ませてボケ・ツッコミ間の違和感を与えなければならない。伝われば面白いかもしれないが何人に伝わるかわからないし、全員に同じ伝わり方をするかどうかもわからない。実際に歌として歌うことで、その厄介な説明を一気に省略できたのだ。

 

今回私が一番良いなと思ったのは導入部分で、しゃべりで歌ネタに誘導していく中に所々小ボケを挟んでいた箇所だ。

歌のタイトルは「ラブソング」という非常にシンプルなもので、これについて文字としてのボケは組み込まれていない。前述したとおり、ニューヨークの真骨頂は偏見であり、さらに漫才に歌を組み込もうとすると、それだけでかなり複雑に要素が絡んでしまう。後に広がる本編の中の重要なエッセンスを活かすためには、掴みの時点で余計な説明はできるだけ削ぎ落とす必要があり、それゆえ初っ端からタイトルを変に回りくどい言い回しで表現するようなボケを入れるわけにはいかなかったのだろう。かといって「ラブソング」というシンプルなタイトルをただ言うわけにもいかない。そこで、掴みを兼ねた小ボケの1つとしてネイティブな言い方をするというボケだけで対応を済ませたのだ。

ボケすぎるわけにもいかないがボケないわけにもいかない、そんなギリギリの塩梅で仕上がりきっていたネタだった。

 

 

なかなか売れないと言ったもののM-1後からYouTubeチャンネル登録者も着々と増えているようで、認知度も間違いなく上がっている。今後の活躍を期待して待とう。

 

 

とはいえ、決勝いったのに決勝ネタの公式動画は10万再生もいかないし、私がお笑い好きな友達欲しくて始めたtinderでマッチングした人に「ニューヨークが好きです!」と言った途端誰からも返信が来なくなるし、どうなってんだ一体。

 

 

M-1グランプリ2019アナザーストーリーを見て

先日放送があったM-1グランプリ2019アナザーストーリーの見逃し配信がされていたので見た。

決勝から1ヶ月が経とうとしているがいまだにその興奮は冷めやらぬ。

改めて見ても「ミルクボーイがM-1グランプリで過去最高得点をとる」瞬間の映像は涙なしに見れるものではなく、番組内での振り返り映像も、優勝後に駒場が自宅で見た映像も、両方泣けた。

「680ぐらい出そう」とか「100点出るんじゃね?」とか、ミルクボーイのネタ中に裏で他の芸人が言っていたのも印象的だった。

誰がなんと言おうとあの日あの時あの場の勝者はミルクボーイに他ならなかった。この感覚はとろサーモン優勝のときに感じたものと同じだった。笑いの神ってすごい。

 

この映像を通して私が感じたのは、ミルクボーイは今年優勝(最低でも決勝進出)できなかったら解散しようと思っていたんじゃないか?ということ。

アンタッチャブルですらM-1優勝できなかったら解散も視野に入れていたときの大会で優勝して、紙一重で今の輝かしい未来を手にしているようだが、ミルクボーイも、もし一歩間違えれば解散していたのかもと思うとゾッとする。

まぁこれは他のどの組にも言えることだが…。

来年、再来年になって、そんなことも感じさせないほどのミルクボーイの大きな姿を拝みたい。

 

 

さて、映像の中でそれと並行して取り上げられていたのがかまいたちと和牛だった。

実力も知名度も高くファンの層も厚いため感動コンテンツとしてかなり取り扱いやすい位置にいたこともあってのことだろう。

やはり私はあまのじゃくなのでそこばっかりそんなに取り上げんでええやんけという気持ちになってしまうが、世間の需要としてはかなり高かったのだろう。

何回出ても取れないのがM-1なんだよと、笑い飯のことみんな忘れたんかなとちょっと思ってしまったが、とはいえ実際に彼らの存在はとてつもなく重要だったろう。今回のかまいたちや和牛の立ち位置は第8回〜第10回あたりの笑い飯の立ち位置と似ていて、それもまた大会全体を盛り上げるきっかけになっていたのだとも思う。

それでいて優勝という称号を得られないまま去らなくてはいけないつらさ。

 

かまいたちはラストイヤー、和牛もおそらく次回大会からは出場を辞退すると思うので、さあ2020はどうなる、というのが今後の見どころだろうか。

振り返ってみるとM-1グランプリの決勝戦は、どの時代にも常連組がいたように思う。

ところがここでかまいたちと和牛が戦線を離脱するとなると、来年以降で常連組と呼べそうな組といえばミキ、見取り図、ゆにばーすくらいのものになる。

そうなったときに懸念されるのが「安心して笑える環境」が作れるかどうかではないか。

ここからまた全く新しい無名の組が勝ち上がってくるのか、血を流しながら新時代の常連組がそれを阻止するのか、今からもう今年の12月が楽しみでならない。

 

一応今の時点でのノーヒント決勝進出予想はネイビーズアフロニッポンの社長マユリカあたりにしておこうかな。